国際深海掘削計画(ODP)

海底における資源探査を目的として1985年に開始された国際深海掘削計画(Ocean Drilling Program)は米国国立科学財団(NSF)が中心となって先進各国に参加を呼びかけ、それぞれの国の代表機関との間に覚書を締結して実施している国際共同プログラムです。

深海掘削参加国は、1993年4月現在で、米国、日本、英国、ドイツ、フランス、ロシア、カナダ、オーストラリヤ連合および欧州12カ国共同体(ベルギー、デンマーク、フィンランド、アイスランド、イタリア、ギリシヤ、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ)の各国もしくは連合体がメンバーとなっています。

ODPは,1968年夏にスタートした深海掘削計画(DSDP)および1975年にスタートした国際深海掘削計画(IPOD)を引き継ぐ形で進められていて、掘削点(サイト)および掘削航海(レグ,Leg)も,DSDP時代からの通し番号によって表されています。日本周辺でも南海トラフ、日本海、三陸沖などでの掘削により、貴重な資料が得られています。

掘削船もDSDPやIPOD時代はグローマー・チャレンジャー号(排水量1万トン)が使用されていましたが、ODPでは、掘削能力、施設が大幅に改善されたジョイデス・レゾリューション号(排水量約2万トン)が使用されています。

ジョイデス・レゾリューション号は、世界中のほとんどあらゆる国での掘削を可能とする船ですが、掘削はライザー(泥水循環を行うためのパイプ)を使用しない方式であるために、石油や天然ガスの噴出には無防備状態です。このためODPでは、基本的に石油や天然ガスの存在が予想される地点では、環境破壊や事故の発生を防ぐために掘削は行わないことになっています。深海掘削

しかし、ガイドラインの変更により、深海掘削計画の第164節(ODP Leg 164)航海にて実験が行われました。この結果、次のことが確認されました。

 ・米国東海岸から300km、大西洋上のブレーク海嶺はいずれも水深約2000mに海底があり、その海底下からメタンハイドレート層(200〜450m)を突き抜けた地底レベルの700m〜750mまで掘削がされたが、心配されたガスの暴噴はなかった。
 ・メタンハイドレート層の下層に多量のフリーガス(メタンガス)の存在が確認された。またフリーガス層の厚さおよび量ともハイドレート層と同等であることも判った。これらを総合してメタンハイドレート資源量を見積もる手がかりが得られた。またフリーガス上部のメタンハイドレートは、石油や天然ガスの貯留槽におけるキャップロックの役割を果たしていることも推定された。
 ・既にその存在が確認されながらもガスハイドレートのどの部分に対応するのか不明だったBSRの位置が、メタンハイドレートとフリーガスの境界面に相当することが確認された。
 ・メタンハイドレートは、海底からの深層約700〜450mの堆積物中に分布しているが、特にメタンハイドレート分布の上限と下限によく連続する塊状〜層状のハイドレート帯が発達していないことが判った。